古書と春雨

寒春。そのおかげで、先日の散歩中に、桜 × 雪というまるで詩のような風景に出会した。

私に春の訪れを感じさせるのは、晴天よりもだんぜん雨の日だ——。

春雨に降られた早朝のモワッとした空気感、傘の下で感じるムズムズと逸るような心持ち。

芽吹の春、何やら心身が落ち着かない。そんなとき、長年の愛読書にそっと手を伸ばす。

古書の感触と香り、お守り代わりの言葉たち。自分に還るための、安らぎの世界へ。

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