【特集】チョコレート選びのミライ基準

年明けのふわりとした心地が抜け切らないまま、気づけば、今年もやってきました!バレンタインシーズン。店頭にずらりと並ぶ、多種多様なチョコレートを眺めて、ふと思う——。

「こんなに豊富なラインアップの中から、みんなは何を基準にチョコレートを選ぶのだろう」

見た目の華やかさ、ブランド名、新商品……。さまざまな基準はあるだろうが、ひとつ、今年からはそこに、nonのテーマでもある「ウェルネス × サステナブル」というフィルターを通した、「自分と社会にやさしい」という〝ミライ基準〟を加えてみてはいかがだろうか。


〝自分と社会にやさしい〟チョコレートの選び方

今回は、バレンタインに限らず、日常的に購入するチョコレートの選び方を中心にみていきたい。まずは、nonが掲げる3つの〝ミライ基準〟をご紹介。

「ウェルネス × サステナブル」な3つの〝ミライ基準〟

  • 自分の身体にやさしいこと(オーガニック、ヴィーガン / 高カカオなどの美容・健康効果)

近年、見かけるようになった「ヴィーガン(完全菜食主義)チョコレート」は、乳製品不使用なだけではなく、白砂糖不使用(白砂糖を精製する過程で「骨炭=牛や豚など動物の骨」使われているため)も大きなポイント。
美容・健康効果が期待できるポリフェノールを多く含んだ、「ハイカカオチョコレート」には乳製品を使用していないものも多く、併せて「ヴィーガンチョイス(きび砂糖、アガベシロップ、ココナッツシュガーなどで甘味をつけた商品選び)」をすることで、身体が喜ぶヘルシーなスイーツタイムを楽しめる。(&原材料の生産過程で環境負荷も少なく、アニマルウェルフェアにも繋がる!)

  • 社会にやさしいこと(オーガニック、フェアトレード / 環境や人権への配慮)

ガーナをはじめとするカカオの産地では、チョコレートの需要拡大による環境破壊(森林減少)や、長時間におよぶ児童労働(人権侵害や健康被害)が深刻な問題。「オーガニック」「フェアトレード」といった認証マークのついた商品を選ぶことで、自然環境の保護や貧困(=児童労働の根本原因)の解決に寄与できる。

  • 適正価格で購入できること(フェアトレード / やさしい消費の〝自続可能性〟)

こうした、「自分と社会にやさしい〝ミライ基準〟」の消費行動も、単発的ではなく、長く続けることが大事。先の「フェアトレード(生産地への経済的な還元)」をはじめ、高品質・適正価格(手を伸ばしやすい低価格帯の商品)で、普段から無理なく購入し続けられそうな、お気に入りのサステナブルチョコレートを近所の食品店で探してみよう!(カルディやイオンなどでも購入可)

<実は身近で手に入る、リーズナブルな〝サスチョコ〟たち>

【左から】カルディ「フェアトレードチョコレート」(185円)/イオン・トップバリュ「オーガニック&フェアトレードチョコレート」(398円)/ライフ・ビオラル「オーガニックカカオのチョコレート(ヴィーガン)」(298円) ※税抜本体価格

推し「認証マーク」を見つけよう!

 こうした〝ミライ基準〟でサステナブルな商品選びをする際に、私たち消費者にとって、わかりやすい目印となるのが「認証マーク」。

 商品パッケージの細部に目を向けると、「オーガニック」「フェアトレード」「ヴィーガン」をはじめ、さまざまな表示があることに気づくだろう(探し始めるとけっこう楽しい)。それとともに、これらのマークに込められた意味を正しく理解することで、より安心・安全かつ、未来を見据えたハートフルな消費行動が叶う。

日本の商品表示にある、サステナブルな認証マークの一例

 中でも、いま注目したい「認証マーク」について、サステナブルライフアドバイザーのyooさんにお話を伺った。

「現代社会におけるサステナブル意識の高まりによって、近年、とくに自然・環境配慮型の認証マークの種類は増えています。厳しい適正審査を通過し、その印をいかに多く、自社の商品表示に取り込めるか。認証マークの獲得は、食品メーカー・小売業界にとっての、サステナブルトレンドと言えるでしょう」(yooさん)

 こうした〝サステナブルマーケティング〟は、感度の高い消費者の購買動向を左右するだけではなく、自社の社会的ポリシーの発信にも繋がるため、幅広い業界で積極的に行われている。

 数ある認証の中で、yooさんには〝推しマーク〟があるそうで——。

「僕の〝推し〟は、カエルのロゴのが愛らしい『レインフォレスト・アライアンス認証』。これはおもに、温暖な地域の熱帯雨林を中心とした森林コミュニティ(自然・環境・人権など)を包括的にサポートしているNPO団体の認証で、チョコレートやコーヒー、バナナなど、日本の店頭に置かれる商品パッケージでも、最近、目にする機会が多くなってきました」

Rainforest Alliance

ローソンの「マチカフェ」のカップにも表示を発見!

「人と自然が調和し、繁栄する世界を創る」をパーパスに掲げる同団体は、「人権(ジェンダーや児童労働など)」「森林と生物多様性(地球の健康を守る力)」「気候(再生農業など)」「生計(賃金問題など)」といった4つ柱を軸に、世界70カ国で活動中。ちなみに、このマークを推す理由とは?

「多くの認証マークは、その審査を通過するための条件(現状の取り組み)を重視していますが、『レンフォレスト・アライアンス』は、そこからさらに未来を見据え、自然環境の改善や繁栄、生産者のサポートなど、より広い視野でのサステナブルをテーマにしている点が先進的です。non読者のみなさんも、そのマークの背景にあるストーリーやメッセージを学びながら、ぜひ自分にとっての〝推しマーク〟を見つけてほしいと思います」

「今日は、推しマークの商品を買ってみる」——。はじめの一歩は、小さくてもかまわない。一人ひとりにとっての「自分と社会にやさしい〝ミライ基準〟」を、まずは甘いご褒美(チョコレート)から、探しにいこう。

取材・文=中山理佐


サステナブルライフアドバイザー yooさん

サステナビリティ(環境・社会課題)を専門とするコンサルタントとして活動中。未来へ繋がる消費行動、ものづくり、ライフスタイルなど、幅広いテーマに精通し、最近では日本の持続可能な「環境再生型農業」に注目している。

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