多様なる美の宝庫「HoMA」
昨日のアートパワーにすっかり感化され、翌日は「ホノルル美術館(HoMA)」へ。こちらもホノルルの中心地からバスで約30分。閑静な住宅地の中にふと現れる、ハワイ最大の美術館だ。
HoMAの作品収蔵数はなんと約5万点! ゴッホやモネ、ピカソ、マティスといった西洋美術の代表格から日本の浮世絵コレクションまで、米国屈指のラインアップが揃う。
ユニークなのは、他民族文化のハワイを象徴するかのように、世界中(ヨーロッパ、アメリカ、日本、中国、韓国、インド、イスラム、ポリネシアなど)から集った美術品をミクスチャー感覚で楽しめること。
それも、時代や国別に30ものセクションに分かれて展示されているので、部屋を移るごとにフレッシュな気分で異文化体験ができる。ゆったりと濃厚なアートタイムを過ごすにはもってこいのスポットだ。
モダンなハワイアンアートに魅了され
世界中の美術館を巡った気になり、すっかり満腹に。しかしここで別腹、いやメインともいうべき「ハワイアンアート」を忘るべからず(汗)。
ハワイ王朝に関わる歴史的な作品から、ハワイアンキルトやコンテンポラリーアートまで幅広いコレクションが楽しめる。
また、ローカルアーティストやデザイナーの作品の発信基地にもなっていて、定期的にエキシビジョンを開催するほか、ミュージアムショップではイラストやトートバッグなどのグッズ販売も行っている。
(このショップがまた、世界中のグッドデザインが集結していて実に面白い。日本の「KINTO」のティーポットを見かけてなんだか誇らしい気分に)
もうひとつ、楽しみにしていた美術館内のオープンテラスカフェは満席で入れなかったものの、心が潤った大満足の一日!(※カフェは人気につき要事前予約)
「風の時代」の旅人たちへ
中庭へ出て、鳥のさえずりを聞きながら、ふんわりとしたハワイの風を感じる穏やかな午後。明日の帰国を前に、ちょっぴり切ない心持ちでふと仰いだ天井に、サプライズがーー。
自然、人、文化……。まるでハワイそのものをギュッと詰め込んだかのように、多種多様なパーツが集うからこそ生まれる美がそこにはあった。
今回、アフターコロナ直後のハワイステイを通して考えさせられた。これから始まるポストコロナ時代に、私たちが再び繋がり合う上で、大事なことってなんだろう——。
それはきっと、フラットかつオープンな〝ありのままの自分〟で、柔軟に世界と対峙する「おもいやり」という名のサステナブルなコミュニケーションスキルではないだろうか。
文・写真=中山理佐
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